お薦めの1冊バックナンバー
part 19 |
ヤフージャパンはなぜトップを走り続けるのか
吉村 克己 著
ソフトバンククリエイティブ株式会社 2006年7月30日発行 1600円
ここのところWeb2.0の話題性もあってGoogle関連本が多く見られます。その対抗本ではないでしょうが、YAHOOに関する書籍も目にするようになりました。
もう何冊かYAHOOに触れた書籍はありますが、本書は人材、ビジネスモデル等々の多面からYAHOOという会社を掘り起こしていて読み応えがあります。インターネット黎明期には検索といえばYAHOO(今でも利用は一番です)でしたが、Googleという強力なライバルが出現しました。厳密に云えばこの2社はビジネスモデルが違うのですが一般ユーザーにとっては検索するサイトということでは同じに見えているでしょう。
さて、このITモンスター企業の日常のビジネスはどんな人たちが、どんな風に進めているのか、社長はどんな人なのか?少しづつではありますが企業像が見えやすいように書かれています。
この10年はあくまでもアメリカYAHOOのビジネスをなぞることで成長し、またユーザーに嫌われないことをポリシーとして事業展開されてきました。YAHOOの画面を見るとなんともシンプルなデザインであることが特徴です。他のポータルサイト的なところの賑々しさから比べるとこの違いは顕著です。
なぜか?新しい技術を導入することで対応できないユーザーを出さない通称1%ルールというのがります。例えば古いバージョンのネットスケープを使っている人も切り捨てない。ポリシーにも通じる「嫌われない」ということです。
これはマスを対象にしたビジネスには大切な考え方だと思います。家電業界なんかは本当に考えて欲しいものです。新しい技術が必ずしもユーザーに利便性を与えるとは限りません。ちょっと1%ルールとは違う話ですが。
とにかくIT業界にとどまらないモンスター企業「YAHOO!JAPAN」の成長やビジネスモデルなどを知るには格好の1冊です。
お薦めの1冊です。
- 目次 -
序章:これまでの10年、これからの10年
第1章:ヤフーバザールに集う人たちー人材
第2章:ライフ・エンジンで突っ走れービジネスモデル
第3章:ヤッホーからヤフーへー軌跡
第4章:「嫌われない哲学」と四つのパワーー企業価値
第5章:ヤフー文化を生み出すお茶目な「マサ」ートップ像
第6章:成長神話は終わったのかー課題
第7章:ヤフーが作ってきた価値、これから作る価値ー展望
おわりに
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新・システム管理者の眠れない夜
柳原 秀基 著
株式会社アイ・ディ・ジー・ジャパン 2006年8月10日発行 1500円
前作の「システム管理者の眠れない夜」の続きです。今回は、月刊ウィンドウズ2000ワール)に2003年1月〜2006年6月号に連載されたものをまとめたものです。
企業のシステム管理者が会社で経験する面白い事件や困った話、仲間から聞いた同様の話を紹介しています。
この2作目も生々しく面白いです。ただ、1作目と比べるとユーザー達のコンピュータリテラシーが上がったのかちょっと地味めでサーバまわりの話が多いかな。
著者は会社を辞め大学院に進学してしまいましたが、ここは日本の企業、なかなか解放してもらえないようです。
でも、恐らく色んな企業で社員の退職にとまないコンピュータまわりでは様々なことが起きているだろうな。
コンピュータに詳しい社員がエクセルで作った管理関連の簡単な表なんかが知らない間にミーティング資料のデファクトになっていてその社員の退職とともに使えなくなるとか・・・・・・。
結構、笑えますよ。
お薦めの1冊です。
- 目次 -
章立てになっていないので割愛
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ハンコで5億稼ぐ道
元フリーターがネットビジネスで成功を収めるまでの450日の軌跡
日向 咲嗣 著
株式会社講談社 2006年6月20日発行 1300円
「株式会社いいはんこやどっとこむ」リアルショップを持たずインターネットだけで激安印鑑を販売する年商5億を持つ企業のビジネスストーリーです。
この印鑑のネット販売を開始したのは2003年、つまりある程度ネットビジネスも出尽くし、単純なネット販売では成功しにくくなっていたはずです。
同社社長の西岡氏は自らWebSite制作会社を立ち上げる際に、会社の印鑑を作る費用の高さに不満を感じ、探した結果やがて一緒に印鑑販売を始めるN氏と出会います。
ちょこちょこそのN氏のお店に出入りしている内に印鑑のネット販売を思いつき、新たな起業をします。自ら4ヶ月、他のWeb制作を辞めサイト制作に集中し、わずか3,000円のレンタルサーバを利用して事業を開始します。
立ち上げた当日から結構なオーダーがあったようで、きっとその喜びは相当なものだったでしょう。
しかし、忙しくなるにつれ手が足りず妻や昔の仲間を誘い、がむしゃらに突き進んでいきますが、成長にはつきものの仲間割れが起こります。
一緒に創業し、印鑑彫り担当だったN氏との金銭トラブルです。
しかし、様々な問題をクリアし成長しつづけています。
なぜ、こんな1周遅れのような事業で成功できたのか?それを確かめるためにもネット販売がなかなか上手くいかない人や始めたいと考えているにはためになる内容がてんこ盛りです。
これも自信のお薦めの1冊です。
- 目次 -
プロローグ 古い船をいま動かせるのは、古い水夫じゃないだろう
第1章:3年遅れのネットベンチャー
第2章:「契約社員」という人生
第3章:「成功」の鐘の音を聴け!
第4章:「崖っぷち」の離陸
第5章:海賊のスキーム
第6章:「大あたり」が始まった日
第7章:しあわせのとんぼ
第8章:決別への導火線
第9章:裏切りの街角
第10章:「秘密基地」の戦い
第11章:「見えない大陸」の掟
エピローグ 僕たちが忘れかけていた「ガムシャラに現実と戦う」こと
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”豆富一丁”をどう売る
樽見 茂 著
株式会社かんき出版 2006年7月3日発行 1500円
株式会社篠崎屋の代表取締役 樽見氏が家業の豆富屋(樽見氏は豆腐ではなく豆富としています)を上場まで成長させたビジネスストーリーです。
さて、皆さんは1件の町のお豆腐屋さんを上場まで成長させることを考えることができるでしょうか?まず僕は思いつかないでしょう。しかし、著者の樽見氏はそれを実現させました。そこには目次にもあるように”真逆”これが1つのキーワードになっています。
大きく成長するためにはいくつかの分岐点があると思いますが、篠崎屋の場合には卸し先の増加に合わせた工場の建設、しかし店舗が増えなかった時、売上の85%を占めていたスーパーへの卸を辞め独自の販路を開拓する決断、その経緯での外食産業への参入、そして上場と挙げられます。
一方、そのために必要な商品開発には類まれな才能を発揮します。それはネーミングへのこだわりだったり、ブランディング、商品価格への考え方など多くの例があります。
ご本人が成功の理由のひとつとしていることに他業種の成功企業の戦略を参考にすると云っていますが、この本を読めば逆に他業種のビジネスパーソンにも参考になることだらけだと思います。
自信のお薦めの1冊です。
- 目次 -
まえがき 一丁の豆富を売ることだけを考えて
PROLOUGE すべては一丁の豆富から始まった
STAGE1:【真逆の開発戦略】オンリーワンの商品・サービスを考え抜く
STAGE2:【真逆の上場戦略】上場を決め、資金を調達する
STAGE3:【真逆の拡販戦略】新しい販路を自らつくり出す
STAGE4:【真逆の世界戦略】M&Aで事業スピードを一気に加速する
STAGE5:【真逆の仕事術】真逆発想の仕事の心得
あとがき 豆富屋のジャパニーズドリーム
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本質眼 楽天イーグルス、黒字化への軌跡
島田 亨 著
株式会社アメーバブックス 2006年7月1日発行 1500円
先日、USENの宇野社長の本が出ましたが、それに続くわけではないのでしょうが人材派遣のインテリジェンスの創業者の一人、現、プロ野球 楽天野球団の代表取締役 島田氏のビジネスストーリーです。
リクルートーインテリジェンスーBMB−楽天野球団で働いてきた氏が、一時、個人投資家として活動していた時期がビジネスに関して書いているのですから参考になる話も多くあります。しかし、エピソードとしての話も世間を湧かせた楽天の話があるわけですから単に読み物としても面白い本になっています。
僕の個人の希望としてはインテリジェンス時代を深堀して欲しかったのですが、それは創業者4人の残りの2人のどちらかに期待するとします。
本書の中で印象的なのは、創設1年目の球団を赤字が当たり前と云われている中で、黒字化していく発想、手腕です。特に前歴は人事関連ですから堅い仕事なのに、球団経営にはエンターテイメントの経営として切り替えて結果を出す。きちんと考え抜いてなければ出せない答えです。恐らく多くの人は当たり前じゃんなんて思っているかもしれませんが結構、徹底して実行するのは困難だと思います。
特に持っている経営資源の最大限の効果的な利用の仕方は素晴らしいと思います。
これも自信のお薦めの1冊です。
- 目次 -
プロローグ 経済界の常識は、野球界にも通用するか?
第1章:弱者の戦略
第2章:ビジネス偏差値55からの起業
第3章:企業の成長は、人間の成長に似ている
第4章:会社は誰のものなのか?
第5章:組織のDNA
第6章:私たちは「ベースボール・エンターテイメント・カンパニー」である
エピローグ ORよりANDの発想で −起業を目指す若者へ
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すぐに使える!自分で出来る株式会社設立 従業員10名未満の会社の作り方
北村 恵 著
株式会社九天社 2006年6月14日発行 1600円
会社設立の実務書としては2冊めになりますが、なかなか概念が理解できなくて1冊では収まらずにまた購入しました。
特に新会社法の大きな変更点の1つである取締役1名、監査役、取締役会の不設置可能などを導入していった時に定款にはどう書けばいいのか?イマイチよくわからない。現物出資をしたらどうすればいいのか?などわかりません。
プロに代行を頼めばいいのですが、どうせなら自分でやってみようと思っていまるので苦戦に身を任せています。
その状況を突破するために本書を購入したのですが、設立手順など非常にわかりやすく、また必要書類などを挿入したCDも付いているので便利です。
お薦めの1冊です。
- 目次 -
はじめに
第1章:会社の仕組みと設立の流れ
第2章:会社の大枠を決める
第3章:社内の意思決定の仕組みを決める
第4章:定款の作成と定款認証
第5章:株式の払い込みと設立登記
第6章:各種書類の作成と提出
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儲かる企業は「しくみ」が違う 人材いらずの営業戦略
栄 文洲・工藤 龍矢 著
株式会社日本実業出版社 2006年6月1日発行 1500円
営業支援ソフトの販売・コンサルティング事業のソフトブレーン(東証一部上場)の創業者であり代表取締役会長の栄氏と同社代表取締役社長の共著です。
宋氏は中国人だからいうわけでもないのでしょうが日本式(?)、いわゆる根性論的な営業方法を否定しています。さらに人材に頼らない方法が重要だと云っています。そのたmにはプロスマネジメントが必須で、誰が営業しても同じように効果を上げられる”仕組み”をしなくてはいけないと。
本書ではソフトブレーンの実例を挙げながらなぜ、日本式がダメなのかを解説しています。また、実務的な営業方法の分類、情報管理の方法などを絡めながら人材いらずの営業組織の実際を紹介しています。
営業に関わる仕事をしている人は持っていて損のない知識だと思いますので読んでみてはいかがでしょう。
お薦めの1冊です。
- 目次 -
はじめに
第1章:違和感だらけの日本の営業
第2章:プロセスマネージメントという考え方
第3章:人材いらずの営業組織はこう作る
第4章:情報管理で組織を「見える化」する
第5章:人材いらずの営業戦略のために
第6章:売れる組織を定着させる
おわりに
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日本一わかりやすい会社のつくり方
坂上 仁志 著
株式会社中経出版社 2006年6月8日発行 1100円
会社を作るのなんか簡単だろうと高を括っていましたが新・会社法は結構ややこしかったので2冊目購入。インターネットで調べたりしながら準備しているのですが「帯に短したすきに流し」で知りたい部分が抜けていたらでポイントを押さえきれません。
会社を作るということの大まかな概略を知るには充分な内容です。
お薦めの1冊です。
- 目次 -
はじめに
第1部:さあ、つくるぞ!設立までの手続き(BEFORE編)
第1章:定款づくりの第一歩
第2章:定款の認証を受ける
第3章:登記の準備をし、申請をする
第2部:これからが本番!設立後の手続きとアクション(AFTER編)
第1章:押さえたい!設立後の手続き
第2章:これは必須!会社を軌道に乗せるアレコレ
第3部:自分の会社を成長カーブに乗せるため
第1章:心技体の経営を実践して成功しよう
第2章:どうする?どうなる?こんなとき、こんなこと
より自分を高めるために[ForAction]
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Web2.0でビジネスが変わる
神田 敏晶 著
ソフトバンククリエイティブ株式会社 2006年6月26日発行 700円
最近、一部話題になっているWeb2.0ですが、さて”Web2.0って何?”なかなか正確な定義は難しいと思います。著者の神田氏は「Web2.0の真骨頂は、Webをつかうことによるユーザーの行動様式の変化にある」と述べ、ビジネスでユーザーに与えられる5つのメリットを挙げています。
1.いつでもどこでも使える
2.共有から価値が見つかる
3.企業からユーザー主体へ
4.趣味は実益を兼ねる
5.マスとニッチの関係が変わる
また、Web2.0のコンセプトを作ったティム・オイラリー氏は以下の7つの定義を挙げています。
1.プラットフォームとしてのウェブ
2.集合知の利用
3.データは次世代のインテルインサイド
4.ソフトウェアリリースサイクルの終焉
5.軽量なプログラミングモデル
6.単一デバイスの枠を超えたソフトウェア
7.リッチなユーザー体験
本書はWeb2.0が普及していくことでビジネスがどう変わっていくのかを、ジャーナリストとして世界を巡り新しいビジネスを見聞している著者ならではの鋭い視点で紹介しています。
そしてこのテーマを語る時によく出てくるキーワードは「Google」「AIDMA→AISASへ」「ユーチューブ」「ブログ」「ポッドキャシティング」です。
さらに僕が知らなかった新しいキーワードは「CGM(コンシューマ・ジェネレイテッド・メディア)」つまり”消費者が主体となって情報を発信するメディア”これが大きく関わっているということです。
ビジネスピープルだけに限らず大きく云えば社会生活がどう変わるかにも関わってきますのでぜひ、読むことをお薦めします。
お薦めの1冊です。
- 目次 -
序章:「ウェブの進化」より大切なこと
第1章:結局Web2.0とは何なのか?
第2章:マスメディアからCGM
第3章:ブログ、SNS、ポッドキャスティングの媒体力
第4章:ビジネス2.0をデザインする
第5章:好きなことを仕事にする〜僕の体験的CGM「論〜
第6章:Web2.1への宿題
あとがき
巻末付録:Web2.0用語集
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オンライン・マーケティング&ネット広告HANDBOOK
大山 忍 著
株式会社翔泳社 2006年6月19日発行 1900円
インターネットが普及した今、ビジネスにおいてオン・ラインマーケティングそしてインターネット広告はビジネスピープルにとって外せない大きなテーマです。
このテーマをわかりやすく解説し、関係業者やチェックシートも各内容ごとに紹介しているのが本書で、実務書として手元においておきたい1冊です。
最近、新しいクライアントなどとWeb制作について打ち合わせをしているとSEO対策はどうなっていますか?アクセス解析はどうしたらいいですか?などと以前には聞かれなかったことが普通に出てくるようになりました。
ある種技術的要素も理解していないとインターネットの世界では広告も効果的には活用できないと思います。ここが紙媒体との大きな違いの1つでしょう。
あまりインターネットは・・・とおっしゃる広告・マーケティングに関わる方にお薦めします。
お薦めの1冊です。
- 目次 -
プロローグ
Chapter1:基本
Chapter2:アクセス解析
Chapter3:ネット広告
Chapter4:SEO
Chapter5:PPC
Chapter6:アフィリエイト
Chapter7:eメール
Chapter8:ユーザビリティ
Chapter9:インターネット視聴率
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山田真哉のつまみ食い「新会社法」
山田真哉・緒方美樹・宮崎剛 著
株式会社青春出版社 2006年1月10日発行 476円
「女子大生会計士の事件簿シリーズ」「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?身近な疑問からはじめる会計学」の著作ですっかりお馴染みの山田氏が「新会社法」について超・簡単に紹介しています。
平成18年5月1日に施行された新会社法!僕には私には関係ないよとおっしゃる方も多いでしょう。しかし、この会社法の改定の大きな目的は起業をしやすくすることもありますのでまんざら無関係ではないかと思います。
「1円起業」よく聞く単語だと思いますが、まさにこれも大きな改定の1つです。とは云っても印紙代やらなんやらで24万円位はかかるのですが。そしてもう1つわかりやすいのが有限会社がなくなるということです。今後は株式会社と合同会社そして合資会社・合名会社になります。さらに改定前から引き継ぐ特例有限会社があります。
ランチの間にサクっと読める位の量ですし、500円で買えますので雑学にでも読んでおいても損がないかと思います。
お薦めの1冊です。
- 目次 -
はじめに
T:新会社法って何?
U:会社を設立する
V:会社を運営する
お答えします!「新会社法」Q&A
つまみ食い「新会社法」マンガ
こんなときどうする?ケーススタディ
取締役非設置型の会社定款例
新会社法用語集
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末期ガンになったIT社長からの手紙
藤田 憲一 著
株式会社幻冬社 2006年6月10日発行 1600円
大手ポータルサイト「フレッシュアイ」運営会社事業部長、女性コミュニティ「とくっちドットコム」運営会社社長を経て株式会社NCIの代表取締役社長の著者 藤田氏のガン闘病記です。
まだ30代という若さで余命宣告を受けた藤田氏の心の葛藤やビジネス・人生への向き合い方を中心にガン宣告を受けてからの状況を述べています。
肩書きを見るだけで多忙な日々だということは誰にでもわかりますが、その日々の中で胃の痛みを覚え、検査を受診したことからガンであることが明白になっていきます。
藤田氏は広告代理店でマーケティングに携わっていたので数字や分析、調査はおてのものということなのでガンについて調べて冷静に状況を理解される能力を有されている方です。
ましてや社長業をされているので俯瞰して判断できると思いますので、普通の方とはまた違った受け止め方をされています。
余命宣告を受けたらどうするか?
年齢やその時の自分の置かれている状況などで変わると思いますが自分だったらどうするのか考えさせられます。
藤田氏は独身ということもあるのでしょうが、自分の能力を使ってガン患者なりの「メディアとネットの融合」というテーマに取り組みます。
最後まで前向きに生きる姿勢は素晴らしいと思います。
現在も闘病中である藤田氏のブログ「銀座ではたらく社長のblog」はコチラです。
お薦めの1冊です。
- 目次 -
プロローグ
第1章:再発、余命宣言
第2章:最初のガンの告知
第3章:2アウト満塁の2割バッター
第4章:人生のロングバケーション
第5章:事業計画「人生の総仕上げ」
あとがきにかえて 伊藤譲一
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「個」を見つけるダイアローグ
村上 龍・伊藤 譲一 著
ダイヤモンド社 2006年5月25日発行 1600円
作家の村上龍氏とデジタルガレージ顧問、ネオテニーCEOの伊藤 譲一が日本批判のようなことを対談しています。
「日本社会の問題点」「伝統的な考え方の非合理性」「システムの矛盾」「危機意識の希薄さ」などを言及した内容なのですが、村上氏は「完璧な個人がいないように、完璧な国家はない」「現在は日本の歴史上もっとも良い時代を迎えている」とも述べています。
また、一方の伊藤氏は「世界的な視点で物事を考える習慣を多くの日本人が持たないまま、一方では日本の文化や製品は高い評価を受けているゆがんだ構造を直すのが重要だと述べています。
お薦めの1冊です。
- 目次 -
はじめに 村上龍
第1章:「個」がつながる世界で
■「個」のネットワークという「思想」
■メディアと「個」
第2章:国と「個」
■適応が遅れる日本社会
■歴史と思考の軋轢
第3章:再生は必要なのか、可能か
■旧弊というパラダイム
■合理性という言葉の機能
第4章:表現・発信すること
■「個」としてハッピーであるために
■一人でもできることは少なくない
あとがきにかえて 伊藤譲一
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なぜ、社長のベンツは4ドアなのか?
小堺 桂悦郎 著
フォレスト出版株式会社 2006年6月9日発行 1400円
中小企業向けの会計絡みの話です。著者は資金繰りコンサルティングを業務にしている小堺氏ですが、金融機関の経験、税理士事務所勤務時代には銀行対策を含めた資金繰りコンサルト業務に従事していたそうです。現在は独立、著者には「借金バンザイ」「粉飾バンザイ」など10万部を超えるベストセラーになっています。
さて、内容の方はと云えば、中小企業によくある会計処理のなぜ、や意味について解説しています。よくある帳簿上では黒字でもキャッシュが足りなくなる、なぜか?そもそも決算書って何?といようなことや脱税ではなく節税のノウハウに近い解説など結構興味深いことも多く書かれています。
お薦めの1冊です。
- 目次 -
プロローグ
序章:なぜ、社長のベンツは、中古の四ドアなのか?
−「経費」の話
第1章:なぜ、年商の四倍の借金のある旅館が潰れないのか?
−「資金繰り」と「決算書」の話
第2章:なぜ、イケイケの会社が倒産してしまうのか?
−「粉飾決算」が話
第3章:なぜ、ラブホテル経営者は税金を払わないのか?
−「税金」と「税務署」の話
第4章:なぜ、社長は生命保険が好きなのか?
− 「経費」の話 その2
第5章:なぜ、社長は失敗しても投資し続けるのか?
−「投資」と「設備投資」の話
おわりに
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志は起業を呼ぶ シリアルアントレプレナーの終りなき挑戦
玉置 浩伸 著
株式会社ファーストブレス 2006年6月1日発行 1500円
ITベンチャーの起業ブームも落ち着き大方、メジャーどころのITベンチャー起業家のビジネスストーリ本も一通り出版されたかなとというところに今回の1冊です。
本書はゴルフをやる人達には関連性の高い「ゴルフダイジェスト・オンライン(GD・O)」の創業者で、元三井物産、ハーバード卒、AOLジャパン社長と華々しい経歴を持つ著者 玉置氏のビジネスストーリーです。
GD・Oの創業には1日の間に2人からインターネットでのゴルフ関係ビジネスについて相談されたところから始まっていきます。2000年と云えばITバブル終焉を向かえ始めた時ですから、よくその時期にゴルフ場の予約システムとショッピングサイトを三井物産に戻らず起業するのですから凄い決断だと思います。
起業後にもメーカーから安売りにクレームを入れられたり、資金繰りのピンチなど困難が起こりますが、Webマーケティングと明確なコンセプトを元に乗り切っていきます。
最終的には経営の方向性(増資)で意見が分かれ玉置氏はGD・Oを去ります。
しかし、現在はITではなくアメリカでケーキ屋を起業して活躍されています。
ひとつのビジネスモデルを成功させていく過程を学ぶにはとても良い内容です。
お薦めの1冊です。
- 目次 -
根っからの起業家 推薦文にかえて タリーズコーヒージャパン会長松田公太
第1章:1993〜96年 シリコンバレーへ
第2章:1996〜98年 ハーバード・ビジネススクールへ
第3章:1998〜2000年 職場復帰へ AOLジャパン
第4章:2000〜2004年 ゴルフダイジェスト・オンライン
第5章:2004年〜新たな挑戦
あとがき
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ダイエーを私に売ってください。
広野 道子 著
株式会社徳間書店 2006年5月31日発行 1300円
なんとも大胆なタイトルですが、著者は企業再生会社の上場会社株式会社21LADYを率いる広野氏がベンチャーリンク、プラザクリエイト、タリーズコーヒージャパンのマネジメントサイドで経験を元に「洋菓子のヒロタ」を傘下に収め、再建に成功した話を中心に再生ビジネスについて述べた1冊です。
氏自身は独立時にIT系ビジネスに失敗しますが、本来の得意分野で自らの企業21LADYを上場するまでに成長させます。
そのキッカケになったのが詰合せシュークリーム専門店シューファクトリーのブランド再生から始まり、英国式パブ「HUB」への投資、経営参加によるブランド再生を成功させていきます。そして「プロ消費者」を知る氏ならばダイエーを復活させてみせるという大胆なタイトルになるのです。
中小企業が行う再生ビジネスはあまり知らなかったので結構、興味深く読めました。
お薦めの1冊です。
- 目次 -
はじめに
序章:ダイエーを私に売ってください。
−広野流ダイエー再生プラン
第1章:「温故知新」と「女尊男卑」で再生した「洋菓子のヒロタ」
−当たり前のことを当たり前にやる
第2章:スピード重視の再生ビジネス
−「ゼロから創るよりスピードが早い」が魅力
第3章:低迷・衰退産業こそ宝の山
−私が「ドットコム」を捨てた訳
第4章:「プロの消費者」がニュービジネスを創る
− 感性を磨き、アンテナを広げて、”原石”キャッチ
第5章:おカネの正しい集め方・使い方
−消費者視点の日本発投資会社を目指す
第6章:役に立つ人脈作りと効果的プレゼン術
− あなたの熱いハートが未来を切り拓く
第7章:広野流”やってみなはれ”の人材活用術
− 社員の能力「を引き出す法
第8章:「丹後商人」の遺伝子と「お嬢さん感覚」の融合
− 私の自然体経営のルーツ
終章:女性たちよ、大志を抱け!
− 女性が幸せになれる社会を作りたい
おわりに
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あなたの会社が買われる日
山田 修 著
PHP研究所 2006年6月9日発行 1200円
3話を題材に企業が買収されたらどうなるか?ということをテーマに書かれたフィクションです。ただ、タイトルと内容とはあんまり結びつかないかなという感じです。
3話とも設定が経営陣の話になっていますので一般社員にはあまり関係ありません。購入した時にタイトルからして、例えば僕の勤める会社が外資系ファンドに買収されることで社内規定が変更されたり、リストラがあったりとかそんな内容かと思ったのでやや的外れの選択でした。
簡単に3話の内容を紹介しておくと
1話目が外資系企業の日本法人に新社長が就任sてきます。しかし、旧の副社長のマネジメントが追い出しをかけるという社内政治的な話です。
2話目はオンラインで証券情報世界的に配信しているグローバル企業の本社の身売り情報が日本法人に入ってきます。そしてまずアメリカ法人が倒産の申請を本社に断らずに行い、そこから各国法人の思惑は働き、アジアは一連となって考えます。しかし、本社の売却先が決まらない。そんな中でアジア各国法人は、競合に身売りを考えます。
しかし、競合と話を進める内に出てきた話は・・・・。
そして3話目は、ファンド会社に買収された家具会社に、ファンド企業の事業投資部長から任命された社長が就任してきます。しかし、この事業投資部長の過度な経営の参画があり、社長か苦慮していきます。この2人の戦いがどうなっていくのか?そんな話です。
お薦めの1冊です。
- 目次 -
まえがき
第1話:新社長就任
第2話:投資ファンドの正体
第3話:社長たちの反乱
特別寄稿:ビジネスは人を豊かにするために 土井英司
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